自分の人生は自分で歩む

元NHK『おかあさんといっしょ』お姉さんの子育て論~子どもに笑顔で言おう「失敗してもいいんだよ」

OFFICE KAWAMURA代表河村都

私は元々幼稚園の先生をしていました。

6年ほどして辞めたんですけど、なぜ辞めたかというとNHKの『おかあさんといっしょ』という番組の「お姉さん役」に、今でいうとスカウトされたからです。

その後は洗足学園短期大学で幼稚園の先生を目指す学生向けの講座を持っていました。

その頃から「知育情操教育」の研究を始め、それは今でも続けています。

その後、民間企業に就職しました。そこでは主に「人材育成」を25年間担当しました。

その会社の社員は大卒中心で、みんなそれなりの大学を出ていました。

だから仕事はすぐできるようになるのですが、人としての基本的なところが身に付いていない人が数多くいました。

最初に驚いたのは、28歳の男性社員のお母さんからの電話でした。「息子が発熱したので休ませていただきます」と。私は「お大事に」と言って電話を切りました。

翌日、彼が出社してきたのでこう言いました。「昨日お母様からお電話があったけれど、もしかして集中治療室にでも入っていたの?」。すると「いえ、うちで寝ていました」と言うんです。

「家にいたのなら自分で電話しなさいね。あなたの出た大学では『会社を休む時、お母さんじゃなく自分で電話を掛けること』と教えてくれなかったの?」と皮肉っぽく言ったら、「そうなんですよ~」と真面目に答えるのです。

ある時から「大人を育てている場合じゃない!」と思い始め、会社を辞めて、「オフィスカワムラ」を立ち上げ、それまで研究してきた「知育情操教育」をいろんな幼稚園でスタートさせました。



河村都

OFFICE KAWAMURA代表

【かわむら みやこ】幼稚園教諭として勤務後、NHK番組『おかあさんといっしょ』のお姉さん役でレギュラー出演。その後、洗足学園短期大学にて『表現教育』 の非常勤講師、知育情操教室「こどもの部屋」主任講師を務める。一般企業に就職後は人材教育、クレーム対応責任者として25年勤務。2007年にオフィスカワムラを設立。著書に『子どもを伸ばす「いいね!」の言葉 「ダメ!」な言葉』(講談社)、『子や孫にしばられない生き方』(産業編集センター)など多数。