アドラー心理学から見た子育て論

子どもの責任、親の責任

NPO法人日本アドラー心理学カウンセリング協会理事長鈴木稔

私は29歳の時、『アドラー心理学トーキングセミナー 性格はいつでも変えられる』(野田俊作著・星雲社)という本と出会い、アドラー心理学の考え方に大きな衝撃を受け、「自分も人生を変えたい」と思うようになりました。

この出会いによって私は生きることが楽になり、やがてアドラー心理学のセミナー講師として企業研修をしたり、カウンセラーとして人間関係の問題解決をしたりするようになりました。

〇甘やかしへの警告

アドラー心理学の創始者は、オーストリア出身の精神科医・心理学者アルフレッド・アドラーです。

アドラーは、「人間の性格の原型は4~5歳までには決定する」と言いました。

未熟な状態で生まれる赤ちゃんは、母親とつながって、母親に依存しなければ生きていくことができません。

子どもは成長するにしたがって、年々できることが増えていきます。その成長に合わせて子どもの自立を上手に促す親もいれば、いつまでも「依存させる親、やってあげる親」もいます。

ですが、子どもへの行き過ぎた関わりは、子どもの主体性や自立を奪い、子どもが自ら成長する力を弱めてしまいます。

アドラーは、「甘やかしは、子どもの自立や成長を妨げる意図せぬ有害な援助である」と警告しました。

そして、そうした甘やかしから生まれるのが競合的関係です。

「競合的関係」とは、優越と劣等の関係です。自分の思う通りに相手を動かそうとしたり、自分が取るべき責任を相手に取ってもらおうとする関係です。つまり、心理的な主導権争いをする関係です。

子どもの不適切な行動は、この競合的関係の中から生まれます。



鈴木稔

NPO法人日本アドラー心理学カウンセリング協会理事長

【すずき みのる】アドラー心理学カウンセラー。18歳で上京、専門学校へ通う傍ら国際空手道連盟極真会館総本部の門を叩き稽古に明け暮れる。大山倍達総裁に語学力を認められ、総裁秘書を務めた経歴を持つ。現在、幼児教育のアイエルワイ国際幼児園と、人間教育のための株式会社「打つ手は無限」を経営。著書に『子育てに正解はある!』(ブックトリップ)、『「やる気不調」は解決できる! 人のやる気を引き出すメンタルカウンセリングの技術』(セルバ出版)がある。