未来につながる1ピース

ゆりかごから始まる家族の絆

こうのとりのゆりかご当事者宮津航一

私は2003年生まれで、現在21歳です。普段は熊本県立大学で学業に励んでおります。このような講演会の場に立ちますと、見た目から30代? 40代? と言われますが、現役の大学生です(笑)。

私は4年前に「こうのとりのゆりかご(以下ゆりかご、親が育てられない子どもを匿名でも預かる施設)の当事者として生い立ちを公表しました。

熊本にあるテレビ局が、私が高校3年生の頃から1年間密着取材をしてくださり、30分のドキュメンタリー番組を作ってくれました。そして高校卒業と同時にテレビで放送され、皆さんに知っていただくこととなりました。

◆最後の砦としての役割

「こうのとりのゆりかご」は、今から18年前、熊本市にある慈恵病院という民間病院が「子どもの小さな命をどうしても救いたい」というその一心で設立しました。

この施設を子どもを預ける場所だと捉えていらっしゃる方も多いと思います。しかしゆりかごの第一の目的は、「相談」なんです。

慈恵病院は、ゆりかご設置前からフリーダイヤルの相談業務を行ってきました。病院に相談することで救われてきた命もたくさんあります。しかし、相談では救いきれない命があるのも事実です。

そこでゆりかごは、どうしても子どもを育てられない人の駆け込み寺的な要素に加え、子どもの命と未来を救う最後の砦として設立することになったのです。



宮津航一

こうのとりのゆりかご当事者

【みやつ こういち】2003年生まれ。2007年5月、熊本にある慈恵病院が運営する「こうのとりのゆりかご」の開設初日に3歳で預けられる。その後、里親の宮津夫妻に引き取られ、2020年に普通養子縁組が成立する。現在大学で学業に励む傍ら「ふるさと元気子ども食堂」代表、一般社団法人「子ども大学くまもと」理事長を務める。