どうしてアフリカ? どうして図書館?

日本のかまどがケニアの村へ―図書館設立のはじまり

翻訳家/「アフリカ子どもの本プロジェクト」 代表さくまゆみこ

私たちは、2004年9月にケニア西部ビヒガ県にあるエンザロ村に、子ども図書館をつくりました。

さらに2008年には、同じくケニア西部のカカメガ県にあるシャンダ小学校の敷地の中にも子ども図書館を開設しました。

最初の図書館づくりに携わった有志で立ち上げたのが、「アフリカ子どもの本プロジェクト」です。

このプロジェクトは、次の三つの目的を掲げて活動しています。

一つ目は、アフリカに設立した図書館の継続的な支援をすること。

二つ目は、日本の国際協力団体や在日アフリカ人によるアフリカでの図書館設立を支援し、子どもたちへ本を届けること。

三つ目は、日本の子どもたちに、アフリカの文化やアフリカの子どもたちについて伝えることです。

こうした活動について、「どうしてアフリカなの?」「どうして図書館なの?」と尋ねられることがあります。

私がアフリカに興味を持つようになったのは、大学時代にジャズやブルース、アフリカ音楽を好んで聴いていたことがきっかけでした。

ちょうどその頃、南アフリカ共和国では「アパルトヘイト」と呼ばれる人種隔離政策が行われていて、少数の白人が大多数の有色人種を法律で差別し、抑圧していました。

その状況に、「こんなひどいことがあるなんて!」と強い憤りを覚えた私は、反アパルトヘイト運動にも関わるようになりました。

して1976年に初めてナイジェリアを訪れたことで、私のアフリカへの関心はさらに高まりました。魅力的な人々に出会い、文化や文学に触れて、「アフリカのことをもっと知りたい」と思うようになったのです。



さくまゆみこ

翻訳家/「アフリカ子どもの本プロジェクト」 代表

【さくまゆみこ】東京都出身。東京都立大学人文学部仏文科卒業。出版社勤務およびフリーの編集者を経て、現在は翻訳家。玉川大学大学院講師、青山学院女子短期大学教授、JBBY(日本国際児童図書評議会)会長などを歴任。1999年、『もうひとつの「アンネの日記」』(講談社)で産経児童出版文化賞・大賞受賞。著書に『エンザロ村のかまど』(福音館書店)、『どうしてアフリカ? どうして図書館?』(あかね書房)などがある。訳書は、絵本からヤングアダルト小説、研究書に至るまで250点を超える。