種をまく生き方

商売が上手くいく三つの秘訣

作家中谷彰宏

僕は大阪生まれで、実家は「昼は染め物屋、夜はスナック経営」という商売の家庭で育ちました。

大学卒業後は、大手広告代理店に就職し、その後独立して俳優や講演家として活動しました。作家としてはこれまで1100冊を超える書籍を出版しました。

今日は、僕がこれまで様々な人から学んだ「商売が上手くいく三つの秘訣」をお話しします。

その三つとは、①お客様を同志にする、②雑談の力、③お喋りの量を増やす、です。

★秘訣①「お客様を同志にする」

秘訣①は「お客様を同志にする」です。

「同志」とは、同じ志や理想で繋がる仲間のような存在です。

「お店とお客様」という関係性を超え、サービスを提供する側とお客様とが同志のような関係になるということです。

関西地方では、お店にクレームを言う時、「あんた、こんなんしてたら店、潰れんで」と言います。

これは、お客としての単なる文句ではなく、お店を心配した言い方です。

うちの実家のスナックでは、常連さんがカウンターの中に入って洗い物をすることがよくありました。それができるのは一部の特別な常連さんだけでした。

そのことを常連さんたちは、「自分は手伝いを任されるくらいお店から信頼されている」と誇りに感じていました。

その姿を見ながら他のお客様は、「俺もカウンターの中に入れるようになりたい」と羨(うらや)むのです。

この常連さんたちは、マイクを離さず1人でカラオケを歌う迷惑な客がいると、「あの客は出入り禁止にしたほうがいい」などと、マスターである父にアドバイスしていました。

彼らは、客としてお金を払いながら、お店の手伝いができることを喜びとし、「良いお店にしたい」と考えてくれるとてもありがたい存在です。

これはもうお客様以上であり、店のスタッフに限りなく近い「同志」と呼べる存在です。

こんなお客様が多いほど、お店は繁盛していくのです。



中谷彰宏

作家

【なかたに あきひろ】1959年生まれ。博報堂勤務を経て独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。私塾「中谷塾」を主宰し、セミナー、オンライン講座の活動を行う。著作は、『新しい仕事術』(リベラル社)『チャンスをつかめる人のビジネスマナー』(きずな出版)など1100冊を超す。多くのロングセラー・ベストセラーを出している。