患者さんを元気にするコミュニケーション

リハビリ現場の会話術

一般社団法人日本エンカレッジ・リハビリテーション協会代表理事矢口拓宇

リハビリには、患者さん自身の主体的な取り組みが欠かせません。

その意欲を引き出す力となるのが、コミュニケーションです。

患者さんの話を共感的に聞き、質問しながら深掘りしていくと、患者さんの中にある深い想いやニーズが浮かび上がってきます。

そのうえで治療方針を提案し、その中から選んでもらいます。

「自分で選ぶ」ということが、患者さんの主体的な取り組みに繋がるのです。

私がかつて訪問リハビリで関わった方で、調子がいいと歩行練習をするけど、時々「今日は歩きたくない」とごねる女性・Cさんがいました。

Cさんの横にはいつも娘さんがいて、「そんなこと言っていたら歩けなくなっちゃうよ」と激しく怒るのです。そうするとお母さんは気持ちがさらに落ち込み、やる気を失うのでした。



矢口拓宇

一般社団法人日本エンカレッジ・リハビリテーション協会代表理事

筑波技術短期大学、国際医療福祉大学大学院卒業。2005年理学療法士免許取得。東京都北区にてリハネット社会参加支援委員会を立ち上げ、障害者の社会参加を支援するボランティア活動も行っている。3児の父。『患者さんがみるみる元気になる リハビリ現場の会話術』(秀和システム)など著書多数。姿勢矯正整体サロン・アイグレ代表。