世界を変える一歩

カンボジアで学んだ本当の豊かさ

カンボジア孤児院JACE NGOs Academy 代表/株式会社Number9 代表後藤勇太

僕はカンボジアのシェムリアップという都市で、

孤児院「JACE NGOs ACADEMY(ジェイス・エヌジーオーズ・アカデミー)」を運営しています。

ここに至るまでには、実にいろいろなことがありました。

僕は小学生の頃からJリーグ所属の「名古屋グランパス」のサッカースクールで、「Jリーガー」という夢に向かって練習に励んでいました。

でも、プロを目指す仲間たちのレベルの高さについていけなくなり、15歳でその夢を諦めました。

両親は僕が9歳の時に離婚し、母は懸命に働きながら僕たち兄弟3人を育ててくれていました。

その様子を見ていたので、僕が次に抱いたのは「お金持ちになりたい」という思いでした。

高校進学後はバイト先の先輩の誘いでパチンコやスロットにハマり、20歳くらいの頃にはギャンブルで大金を得るようになりました。

その一方で、僕の心には虚しさがありました。将来の夢や目標のために努力している友人たちがキラキラと輝いて見えたのです。

 



後藤勇太

カンボジア孤児院JACE NGOs Academy 代表/株式会社Number9 代表

【ごとう ゆうた】1986年愛知県生まれ。20代の時に訪れたフィリピンのスラム街で衝撃的な体験をして人生観が一変。その後、カンボジアの孤児院(現「JACE NGOs ACADEMY」)でボランティアとして活動し、2019年に経営を引き継ぐ。現在は孤児院を運営しながら、環境問題・差別・貧困・人権問題などの課題解決に向けて取り組んでいる。著書に『カンボジアで孤児院を経営するボクがあなたに伝えたい「勇気が出る言葉」』(文芸社)がある。